養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議「議論の取りまとめ」参考資料等
養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議は、「令和の日本型学校教育」を担う教師の在り方に係る議論の動向並びに当面する学校保健及び食育に関する課題等を踏まえ、それらに対応するための方策等について検討を行うため、令和4年3月に開催が決定された。
本協力者会議の検討事項とも深く関わる教師の養成・採用・研修等の在り方については、令和3年1月の中央教育審議会答申「『令和の日本型学校教育』の構築を目指して~全ての子供たちの可能性を引き出す、個別最適な学びと、協働的な学びの実現~」において、引き続き検討が必要な事項として整理された。
その後、令和3年3月に、文部科学大臣から中央教育審議会に対して「令和の日本型学校教育」を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について諮問がなされ、令和4年12 月には答申として「『令和の日本型学校教育』を担う教師の養成・採用・研修等の在り方について~『新たな教師の学びの姿』の実現と、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成~」が取りまとめられたところである。
学校は、教育機関として、学習機会と学力を保障する役割を担うものであるが、それに加えて、我が国においては、子供たちが、安全・安心に学ぶことができる場として、また、教師と子供、子供同士など、人と人がつながることができる場としての役割、さらには、身体的・精神的な健康の保持増進にも大きな役割を担ってきた。
これらの学校の役割は全て、子供たちの心身の健やかな成長に向けられたものであり、その意味で、学校は、子供たちが全人的な発達・成長を遂げ、学校生活においては勿論のこと、将来的にも、自らの生活をよりよく生きていくための基盤を築くことができる重要な役割を担っているものと言える。
その学校の中にあって、養護教諭及び栄養教諭は、「教師」であると同時に、他の教諭等とは異なる専門性を有するとともに、その職務についても、子供たちの健康課題に対する個別的な対応を担うなど、授業における教科等の指導を日常的に行う教諭等とは異なる性格を有している。
このため、養護教諭及び栄養教諭を、現在及び将来における子供たちの心身の健やかな成長に大きく貢献し得るものとして捉えた上で、本協力者会議においては、中央教育審議会における審議の状況を踏まえつつも、養護教諭や栄養教諭に特有の課題に着目して検討を進めるとともに、資質能力の向上を念頭に置きつつ、関連する課題についても幅広く検討を行うこととし、令和4年5月以降、委員間で意見交換を行いながら、5回の会議を開催したところである。
この議論の取りまとめは、それらの検討を経て、委員間において一定の共通認識が得られたことから、本協力者会議における最終的なまとめとして取りまとめたものであるが、以下に示す内容は、養護教諭や栄養教諭を巡る様々な課題に対して、画一的な解を示す性質のものではなく、これらを契機として、養護教諭や栄養教諭本人は勿論、それ以外の特に学校関係者や教育委員会関係者、行政関係者等を含め、幅広い関係者における活発な議論が喚起されることを期待するものである。
令和5年1月17 日
養護教諭及び栄養教諭の資質能力の向上に関する調査研究協力者会議